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22,000ポンド爆弾(グランドスラム、アースクェーク)



22,000ポンド爆弾はアップキープと同じ、イギリスのバーンズ・ウォーリス技師により開発された、第2次世界大戦で登場した爆弾では最大の10トン近い大型爆弾である。
 この爆弾の開発は、イギリス空軍がこれまで破壊できずに手を焼いてきた頑強な構造の橋梁、トンネル、Uボートブンカー(※1)を破壊できる爆弾を欲したところから始まる。
これらの施設に対して500ポンド爆弾による攻撃を行っても、すぐに修復できる程度の損害か、全く効果がなかったのである。
 この爆弾の開発に関する議題はイギリス空軍内部の会議を通過し、開発、設計をアップキープの開発経験を持つ、バーンズ・ウォーリスに依頼することとなった。
 ウォーリスは「地中に深く食い込んで爆発した爆弾は強力な衝撃波を生み出す。」という持論を極限までに引き出すことを目指したため、爆弾のデザインは地面に深く突き刺さるという条件を考慮して完成したデザインは縦になって落ちる時に空気の抵抗が少なく、地面に突き刺さりやすい流線型の細長いものとなり、重量配分は計算と模型による実験を繰り返した結果、弾頭の形に手が加えられ、全長の約半分に達する尾部のフィン付きカバーを取り付けて重心を調整し、投下後は確実に縦になるように設計された。
 設計が完了すると、実験と試験運用のために22,000ポンド爆弾をそのまま小さくした「トールボーイ」と呼ばれる12,000ポンド爆弾が製作された。
 これは、各種実験の他に戦艦テルピッツ攻撃や鉄道トンネル攻撃などに使用され、戦艦テルピッツを撃沈し、トンネルも山もろとも破壊してしまうなどの良好な戦果を上げた。(※2)
 その後、12,000ポンド爆弾が良好な成績を収めたことから、続いて12,000ポンド爆弾をランカスターに搭載できるぎりぎりの全長までスケールアップした22,000ポンド爆弾の製作に入った。
 しかし、ランカスターの爆弾倉の全長に合わせてぎりぎりまでスケールアップした爆弾は、搭載に当たって各所に不都合を生じる(※3)ことが設計段階で分かっていたため、イギリス空軍は22,000ポンド爆弾専用に既存の機体を改造した「ランカスターBTスペシャル」(※4)と呼ばれる機体が22,000ポンド爆弾の製作と平行して製作された。
 こうして、爆弾本体及び機材が揃った1945年2月に投下実験が行われ、見事に成功したことにより、実戦投入の目途がついた。
 この爆弾を使用した最も有名な攻撃は22,000ポンド爆弾搭載機の初出撃でもある、1945年3月14日のイギリス空軍第617飛行隊(※5)所属する2機の22,000ポンド爆弾搭載機と26機のトールボーイ搭載機により実行された、交通路遮断を目的とするビーレフェルト鉄橋攻撃である。
 結果は13,000m近くの高空から投下され、音速に近い速度で着弾した22,000ポンド爆弾は目標から約80フィートも外れたにもかかわらず、爆発によってできた深さ100フィートに達するクレーターが橋脚下の地面をえぐりとり、この爆弾特有の地震効果もあって、鉄橋の一部が橋脚もろとも崩壊した。(※6)
なお、第2次世界大戦における22,000ポンド爆弾の使用数は41発である。

※1
 Uボートの掩体兼整備所で鉄筋強化された分厚いコンクリート製のため、耐爆能力は非常に高い。
 また、シャッターも付いていることから荒天とはほぼ無縁であり、入港したUボートは係留のみで済むためアンカーが不要である。
よって、ある程度ブンカーが整備された後に建造されたUボートにはアンカーの無いものがある。
 しかし、1944年8月のイギリス空軍第9飛行隊によるブレストのUボートブンカーに対する12,000ポンド爆弾を使用した攻撃は、この鉄筋強化されたコンクリートの塊のような施設の天蓋を一撃で粉砕してしまった。

※2
この大きさでも十分な破壊力があることが証明された12,000ポンド爆弾は22,000ポンド爆弾採用後も製造が続けられ、第2次世界大戦中に854発が使用された。

※3
通常のランカスターの爆弾積載量は6,300kg程度で、明らかに運用制限重量オーバーであり、また、爆弾の太さがオーバーサイズのため、専用の懸吊装置に交換すると爆弾倉の扉が閉まらなくなるなどである。

※4
改造の概要としては重量軽減のために一部の機銃を機銃座ごと外して外板を張って整形し、無用の長物である爆弾倉の扉を取り払い、専用の懸吊装置を取り付けたものである。33機がこの仕様に改造された。





※5
アップキープの項で紹介しているとおり、ルール地方のダム破壊作戦を成功させた部隊である。
 この時の活躍が発端となって、この部隊に「ダムバスターズ」という別称がついた。
 ちなみにこの部隊は現在でもイギリス空軍に存在し、部隊マークは破壊されたメーネ・ダムである。

※6
次の写真のとおり。
この時点では連合軍に制空権を握られていることもあり、修復は不可能である。



22,000ポンド爆弾・性能緒元
全長:26フィート6インチ
直径:3フィート10インチ(最大部)
重量:22,000ポンド
炸薬:Torpex爆薬 9,135ポンド


本項"22,000ポンド爆弾(グランドスラム、アースクェーク)"は、本文及び画像をたこ氏により御提供いただいています。

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